この章でわかること
Gitが解決する「バージョン管理」のなやみ/Gitをタイムマシンにたとえてイメージする/
最初に覚える3つの言葉(リポジトリ・コミット・履歴)。
1. 「最新.docx」問題、ありませんか?
レポートや資料を直していると、いつのまにかこうなりがちです。
よくある「最新.docx」のなれの果て。どれが本物か、もう分かりません。
こうなる原因は「変更を記録する仕組みがない」から。
だから、ファイル名で「いつの・どれが・なにが違うか」を表そうとして、こんがらがってしまうのです。
たとえ話
料理のレシピを直すたびに、レシピのコピーを別の紙に取って、紙が机に積もっている状態。
どれが「いまの正解レシピ」か、自分でもわからなくなりますよね。
2. Gitは「タイムマシン」
Git(ギット)は、ファイルの変更を記録してくれる道具です。
ちょうどタイムマシンのように、好きな時点に戻ったり、その時点と今をくらべたりできます。
1つのファイルでも、Gitが「時間ごとの姿」を全部おぼえてくれます。
だから、ファイル名は 「報告書.docx」だけで大丈夫。
どんなに直しても、過去の姿はGitの中にちゃんと積み重なっています。
3. Gitでうれしいこと、3つ
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① 記録できる
「ここまでで一区切り」というところで、自分で記録(コミット)を打てます。
記録にはひとこと説明(例:「表紙のロゴを差し替えた」)を添えます。
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② 戻せる
「やっぱりさっきの方がよかった」と思ったら、過去の記録に戻せます。
消したものも、Gitが覚えていれば取り戻せます。
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③ 枝分かれ(ブランチ)できる
「いまの本流はこわさずに、ちょっと試したい」が安全にできます。
気に入ったら本流に合流。気に入らなければ捨てるだけ。第9章でくわしく。
4. 最初に覚える3つの言葉
リポジトリ(repository)
Gitが管理する「おき場所」のこと。中に入っているファイルの変更を、Gitが全部おぼえてくれます。
日本語では「貯蔵庫」「保管庫」のような意味。略して「レポ」とも呼びます。
コミット(commit)
「ここで記録する」という行為と、その記録された1つの時点のこと。
タイムマシン図の「青い●」がコミットです。コミットには必ずひとこと説明(メッセージ)をつけます。
履歴(ヒストリー)
コミットがならんだ記録の一覧。「いつ・誰が・何を変えたか」がわかります。第8章で見方を学びます。
まとめ
Git=ファイル変更の記録ノート。コミットで記録を打ち、履歴でふり返り、必要なら過去に戻る。
リポジトリ=記録ノートの入った箱(フォルダ)。
やってみる前にひと呼吸
まだインストールはしません。「Gitは時間をおぼえてくれる道具」というイメージだけ持って、次の章へ。
次は「GitとGitHubって何がちがうの?」を見ていきます。